


川上 竜樹 教授
[専門分野]
数学解析、大域解析学、偏微分方程式
▼解決をめざす「社会課題」

私たちの身の回りにある多くの科学現象は、移流・拡散・反応といったルールで説明されます。こうした現象を微分や積分を用いてモデル化(数式化)したものが、微分方程式です。特に、時間と空間のように2つ以上の要素がからみ合い、変化する複雑な現象を扱う偏微分方程式は、科学現象だけでなく、物理や工学、さらには数理ファイナンス、金融工学といった実社会の問題にも深くかかわっています。近年、応用面からも多くの研究が行われており、計算機の発展にともなって解析技術も進歩しています。しかし、今なお解き明かされていない問題も少なくありません。そもそも「微分方程式をみたす解は存在するのか」「その解はもとの現象を正しく記述しているのか」。こうした問いを数学的に解析していくのが、私の専門分野です。未解決の問題に挑戦し、答えにたどり着いたときの充足感こそが、この分野の醍醐味です。
私は、学生一人ひとりが「自ら学ぶ力」を確立することを最も重視しています。学部生には、教科書の内容を学びながら「自分は今、どこがわかっていないのか」を徹底的に探究してもらいます。「わからない」という状態を正確に把握し、自分のことばで説明できるようになることが、次のステップへ進む羅針盤となるからです。また、大学院生は、自身の研究対象を基礎から深く学び直し、最先端の研究にふれる準備をしていきます。学部生にも大学院生にも、安易に答えを教えることはありません。自ら問いを立て、粘り強く考え抜く習慣こそが、あらゆる課題に立ち向かう力になると信じているからです。自ら課題を設定し、解決への道筋を描くことは、社会が抱える複雑な問題を解決するプロセスと同じです。研究室での学びを通じて、物事の本質を見抜く視点を養い、主体的に未来を切り拓く力を身につけてほしいと願っています。
亀田 隆雅さん
数理・情報科学課程2024年卒業
先端理工学研究科 修士課程
先端理工学専攻 数理・情報科学コース 2年生(山梨県 日本航空高等学校 出身)
人間のように会話できるAIの仕組みを学び、ことばとテクノロジーの可能性を広げたいと考えました。現在は、外国人がAIと対話しながら無理なく楽しく日本語を学べるゲームの開発に取り組んでいます。講義で学んだ自然言語処理の知識を実際のサービスとして形にするおもしろさが、この研究のやりがいです。研究を始めた当初は、アイデアを形にする論理が甘く、先生からよく指摘を受けました。しかし、先生との議論を重ねるなかで、問題の構造を整理し、筋道を立てて考える習慣が身につきました。