
吉田 賢史 講師
[専門分野]
電波工学、無線通信工学
▼解決をめざす「社会課題」
スマートフォンやタブレット端末は、電波を活用した無線通信技術によるデータ通信が可能です。ノートパソコンやポータブルゲーム機、さらにはエアコンや冷蔵庫にまで無線通信機能が搭載されるようになってきました。電子機器に限らず、家電製品に無線通信機能を付加することは、もはや当たり前になりつつあります。この技術により、一昔前には考えられなかったエンターテインメントやサービスが現実のものとなり、私たちの暮らしは大きく変化しています。特に近年では、従来の通信技術や電子レンジでの加熱利用に加え、ワイヤレス給電という新たな応用分野が世界中で注目を集めています。この技術は、私たちの生活をより便利で豊かにする可能性を秘めており、産業界からも大きな期待が寄せられています。電波工学関連の技術者の活躍領域は今後も広がり続けると予想され、産業界や教育機関での人材育成が重要な課題となっています。
吉田研究室では、ワイヤレス給電技術のなかでも特にマイクロ波を活用する方式に着目し、電子機器にワイヤレスで電力供給を行う新たなシステムの開発に取り組んでいます。マイクロ波・ミリ波と呼ばれる周波数帯域のワイヤレス技術を活用するシステムのうち、ハードウェアに重点を置いた研究を進めています。「電線がつながっていないところでも、なぜ瞬時にあらゆる情報にアクセスできるのか」、「火を使わないのにどうして電子レンジで食品が温まるのか」といった素朴な疑問からはじまる探究心が、新たな技術を生み出す原動力となるのは間違いありません。この世界にないものを創り出すのが、工学の研究です。ここには、チャレンジ精神のあるものづくりが好きな学生にとって、このうえなく充実した研究環境が整っています。私たちと一緒に、電波工学の新たな可能性を追究し、未来の技術革新に挑戦してみませんか。
稲田 萌菜さん
電子情報通信課程 2024年卒業
先端理工学研究科 修士課程 先端理工学専攻 電子情報通信コース 1年生
(滋賀県立草津東高等学校 出身)
携帯電話基地局の小型化に有効なマイクロ波通信デバイスの研究開発を進めています。インターネットや通話を支えるシステムがさまざまな電子部品で成り立っていることを、原理から学べるので、高速・大容量通信に必要な電波を取り出すフィルタへの興味は尽きません。研究テーマは「電磁界結合型フィルタの設計法に関する研究」です。学部時代に学んだ高周波電子回路や伝送線路の知識を活かして自ら回路を設計・試作することに、やりがいを感じています。移動通信技術の発展に貢献できるよう、今後も自分の専門知識を深めていきます。