樋口 三郎(ひぐち さぶろう)

樋口 三郎

講師|博士(理学)|東京工業大・院・理工

専門分野
理論物理学(場の理論と統計力学)
研究課題(長期)
場の理論と統計力学に現れる組み合せ的構造
研究課題(短期)
ランダムなネットワークの統計力学と計算困難問題

研究テーマ:計算の問題を物理する

私は、(物理の問題とは限らない)計算の問題を、物理的な視点からとらえてその性質を理解し、究極的にはその有効な計算/解析方法を構築することをめざしています。実数の四則演算には限らず、情報に何らかの加工を施すことを計算と呼ぶことにしましょう。計算には、暗算なら脳の状態遷移、コンピュータによる計算なら電子的デバイスの状態遷移が伴います。その過程を熱力学で考察することで、計算の速度の上限、計算に伴うエネルギー消費の下限などを知ることができます。計算すべき問題の構造を、物理の統計力学の言葉で理解することも有効です。計算に長時間かかる典型的な問題の性質には、ガラスの物理的性質と共通するものがあります。ガラスは非常に流れにくい液体と考えられますが、流れにくい原因はポテンシャルエネルギーの極小点がランダムに多数存在することで、これは問題の計算に長時間かかるのと本質的に同じ理由です。
また、脳や(既存の)コンピュータ以外にも、計算を行なう仕掛けを考えることができます。例えば、量子力学に支配される微小なデバイスを用いて実現できるかもしれない、量子コンピュータと呼ばれる計算装置が構想されています。この装置は、既存のコンピュータとは異なる計算原理に従い、その結果、ある種の困難な問題を解くのに必要な時間を、圧倒的に短くできます。例えば、破るのに数百年間かかると現在思われている暗号も、量子コンピュータでは短時間で破れる可能性があります。

密につまったループの配置と、その総数を数えるための統計力学モデルに現れる重み

密につまったループの配置と、その総数を数えるための統計力学モデルに現れる重み

量子コンピュータのトポロジカルな場の理論的実現に現れる等式

量子コンピュータのトポロジカルな場の理論的実現に現れる等式

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