- 教員氏名
- 浅野 昌弘(あさの まさひろ) 講師
- 学位
- 博士(工学)
- 学歴
- 大阪大・院・工
- 専門分野
- 水処理工学
- 研究課題(長期)
- 下排水に含まれる微量有害化学物質の高度処理に関する研究
- 研究課題(短期)
- オゾン、紫外線を併用した排水の高度処理技術の低コスト化への試み
昨今における私たちのライフスタイルの急速な変化に伴い、私たちの身の回りにある品々においては多くの化学物質が用いられています。これらの化学物質は、その使用後において下排水を介して下水処理場へと送られ、標準活性汚泥法を中心とした今日の処理技術により下排水と共に処理がなされ、やがて処理水として自然環境中へと排出されます。ところが、近年の研究において、これらの処理水中に環境ホルモン様物質等といった、生態系へ悪影響を与える恐れのある微量有害化学物質が含まれていることが報告されています。浅野研究室では、これら微量有害化学物質を除去し、かつ処理水の安全性を容易に確保出来ることが期待される下排水の高度処理技術の開発を行っています。下左図は、オゾンと紫外線を併用した下排水の高度処理技術の一例です。下 排水で満たされた反応器内へオゾンガスを供給すると共に紫外線を照射すると、オゾン分子から生成される1重項酸素原子と水分子との反応により先ずは過酸化水素が生成され、続く紫外線照射によりこれら過酸化水素から強い酸化力を有するOHラジカルが発生します。この強い酸化力を持つOHラジカルのはたらきにより下排水中の微量有害化学物質を分解することが出来るのです。(下右図)。現在、発展途上国等の下排水処理場への導入を視野に、本処理技術の低コスト、省エネルギー化に関する検討を行っています。