- 教員氏名
- 糟野 潤(かすの めぐみ) 准教授
- 学位
- 博士(工学)
- 学歴
- 京都工芸繊維大・院・工芸
- 専門分野
- 電気分析化学
- 研究課題(長期)
- 人工液膜系での生体類似反応の構築
- 研究課題(短期)
- 液膜界面でのイオン・電子移動反応
光合成生物を用いた光‐電気エネルギー変換反応
新規フロークーロメトリー用全電解用セルの開発
水とそれと混じり合わない有機溶液の界面は、固体|溶液界面とは異なり、親水性物質と疎水性物質が反応できる特異反応場です。この反応場では電子のみならずイオンも移動できるため、実用的には溶媒抽出、膜分離、イオン選択性電極などの分離・検出場として広く利用されています。また、有機溶液を生体膜と見立てて、水|生体膜界面での薬物やイオンの取り込みをはじめとする生体膜反応の評価・理解にも有用なモデル場として活用されています。本研究では、光合成反応 をエネルギー論的に理解するため、疎水性金属錯体による水の酸素への酸化反応を水|有機溶液界面で実現し、その反応に関与する電子や H+ などのイオンの界面移動の素過程を電気化学の基礎概念と方法論によって解明することを目指しています。
また、水|有機溶液界面でのイオン移動反応を利用した新規フロークーロメトリー用電解セルを開発し、容易に酸化還元しないイオン種の高精度定量の実現とその応用について研究しています。
一方で、実際に光合成生物を用いて、光エネルギーが電子として取り出される反応を解析し、人工液膜反応との類似点・ 相違点を評価することで光合成反応の理解を深めたいと考えています。得られた知見を参照すれば、効率の良い酸素発生 触媒系の構築やアニオンセンサの開発などへの応用も期待できます。