白神 達也(しらかみ たつや)

白神 達也

講師|博士(理学)|大阪大・院・理

専門分野
材料物性測定学
研究課題(長期)
物性測定による、他の物性の動向予測。特に構造解析につながる情報を得る。
研究課題(短期)
  • ペロフスカイト関連化合物を母材とした希土類蛍光体の結晶場分裂
  • セメント関連重水和物の物性と構造解析

研究テーマ:材料の精密な物性測定から、他の方法では得られない情報を得て、材料設計に役立てる。

私の研究は大きく分けて、量子力学や熱力学、統計力学の知識をベースとして、電子顕微鏡観察や種々の物性測定から無機材料の構造についての情報を得る基礎科学的な研究と、種々のセメント水和物の合成とその分析の2種類に分けられます。具体的に基礎研究として、ペロフスカイト関連化合物を母材とした希土類蛍光体の結晶場分裂を、ラマン散乱分光や磁化率測定を用いて調べています。ラマン散乱では、希土類原子の基底状態や励起状態の結晶場分裂の様子が直接観測できます(電子ラマン散乱)。また磁化率測定では、おかれているサイトシンメトリーの違いにより、基底状態の分裂パターンに大きな違いが現れ、それが有効磁気モーメントに反映されます。Fig.1に示したように、スズ酸カルシウムとスズ酸ストロンチウムは斜方晶で、点線で示した理論有効磁気モーメントを高温では実現しているのに対して、立方晶であるスズ酸バリウムでは明らかにそれより小さな磁気モーメントを与え、実線の理論値との一致がよいです。このような研究は「蛍光体はなぜ光るか?」という基本問題の解決につながると信じています。もう一方のセメント水和物の研究では、重水和物を作製し、その物性を調べています。ダイナミックTGによる測定により、ポルトランダイトとエトリンガイトの重水和物は普通の軽水和物に比べて、分解温度が明らかに低くなっています(Fig.2)。これらの現象が普遍的なものなのか、さらに他の水和物についての調査が必要です。また、中性子回折を用いた結晶構造解析により、水素結合付近の様子を調べることも計画しています。「セメントはなぜ固まるか?」という基本問題に挑んでいきます。

図

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