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Faculty of Advanced Science and Technology

先端理工学部

清水 吉大(しみず よしひろ)

清水 吉大(しみず よしひろ)
教員氏名
清水 吉大(しみず よしひろ)助教
学位
博士(工学)
学歴
龍谷大学大学院 理工学研究科 博士後期課程修了
専門分野
無機材料科学
水素貯蔵材料
研究課題(長期)
サステイナブルな水素貯蔵および水素利用
研究課題(短期)
水素貯蔵材料の水素吸蔵放出特性の向上

研究テーマ:水素貯蔵材料の水素吸蔵放出特性の向上

来たる水素社会に向け、水素貯蔵及びその利用に関する研究を行っています。特に水素貯蔵材料において、より低温で、多量の水素を貯蔵可能、水素吸蔵・放出速度が速い材料が求められています。そこで、水素貯蔵材料の一つであるマグネシウム(Mg)に注目しています。Mgは理論最大水素貯蔵量が7.6 wt%と多量の水素を貯蔵できるため、非常に魅力的な材料の一つです。しかし、Mgの水素吸蔵・放出(Mgの水素化・脱水素化反応)の動作温度が高温であったり、吸蔵・放出速度が遅いという課題点があります。そこで、Mgに固体酸化物の触媒を加え、混合することで水素化・脱水素化速度の向上させる速度論的な研究を行っています。

これまで、固体酸化物を添加したMgの水素吸蔵メカニズムでは、Mgの水素化反応における局所的な発熱によって、これまで知られていたMgの水素吸蔵における律速段階が「触媒表面での水素分子の解離」から、「触媒近傍での水素分子の拡散」に移行することを明らかにしました。この移行した律速段階では、急峻に水素化反応が進行します。そのため、律速段階の移行がより低温で生じることができれば、Mgの課題である温度と反応速度の改善が見込まれます。現在、律速段階がより低温で発現する、すなわち、より低温で急峻な水素化反応の進行を可能とする固体酸化物の模索を行っています。さらにそれらの混合状態についてを電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM))を用いた微視的な構造評価の観点からも研究を行っています。

他にも、水素貯蔵材料の水素吸蔵・放出における熱力学的な研究や、水素の利用先である電池に関する研究についても行っています。

  • Mgと触媒の混合粉末上での水素化反応の模式図。触媒表面で水素分子が原子状水素に解離し、Mgと原子状水素が反応する。反応時には反応熱が生じ、その反応熱で水素化速度が加速する。加速によって、触媒近傍の水素分子が不足し、その水素分子が触媒までたどり着く拡散が律速段階となる。

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