
阪井 一繁 講師
[専門分野]
計算科学・応用数理
地球温暖化が問題視されるなか、気温変動や交通渋滞といった社会問題が頻出しています。その要因には規則性がなく常にランダムな要素がつきまとうため、解決策を見つけるのは困難です。こうした社会課題解決の一助となるのが、ランダム要素を含んだ「確率モデル」です。この授業では、「確率モデル」を用いた計算機シミュレーションを体験しながら「確率モデル」の概念を感覚にとらえていきます。具体的には「ランダムウォーク」という確率モデルを使ったモデリングを体験し、「拡散現象」との関連も学びます。社会課題の原因となる現象を正しくモデリングし計算機シミュレーションの力と掛け合わせれば、課題解決の糸口が見えてくると考えています。学生が学ぶ内容は初歩的な方法論で、すぐには具体的な課題解決にはつながらないでしょう。ただ、この授業を通じて「確率モデル」に興味をもち、社会課題の解決に目を向けるきっかけにしてもらえれば嬉しいです。
中世古 真吾さん
理工学部 数理情報学科 2022年卒業
理工学研究科 数理情報学専攻 修士課程 1年生
(滋賀県立東大津高等学校 出身)
人間のように識別を行う人工知能の仕組みを知りたくて、知能情報学が専門の高橋研究室を選びました。私の研究テーマは「事前学習したニューラルネットから抽出した特徴量の分布を利用した画像の識別手法」です。機械学習のアルゴリズムのプログラムをすべて自分でつくることで、画像の識別手法への理解がより深まりました。また、研究活動をとおして論理的な思考力も鍛えられました。「実験の条件を変えると結果はどう変わるのか」「何を基準に実験同士を比較するか」などを考えるなかで、物事の因果関係を体系的に把握できるようになりました。