深尾 武史 教授
[専門分野]
解析学、非線形発展方程式
物事を解決するには、正しい知識の活用だけでなく、周囲との協力や試行錯誤も必要です。「プロジェクト演習」では PBL(Project Based Learning )の授業形式のもと、仲間とともに課題解決をめざしながら、数理 ・ 情報科学の考え方、実践方法を体験的に修得します。
情報化社会の急速な発展は、数理・情報科学の分野が支えています。高等学校までに学んだ数学や科学を基礎として、大学ではそれらの更なる発展や、情報化社会に向けた応用をいよいよ学びます。情報科学技術の進歩はめざましく、時にその技術はブラックボックス化してしまうこともあります。最先端の情報科学技術の理解とともに、それらを支える数理・情報科学の学びを大切にするみなさんが、産業や技術革新の発展に大きく寄与する人材になりうると私は考えます。
「プロジェクト演習」は、PBL(Project BasedLearning )を取り入れています。PBL 学習は問題解決型学習とも呼ばれ、学生は与えられた課題に対し、みんなで一丸となって解決方法を模索します。身近なものを利用して遊びの要素も取り入れるのが特徴で、過去には、物体の運動を理解するため、ピンポン球をはずませて百発百中でカップに入れる「ピンポン・チャレンジ」と題した取り組みを行いました。知恵と力を出し合って課題解決をめざし、数理・情報科学の有用性を体感するのが本演習の目的です。
みなさんには試行錯誤や協働を通じて、自分たちは数理・情報科学の知識で何ができるのかを体験的に理解してほしいと考えています。講義を聞く受け身の学びではなく、自ら主体となって頭と手を動かし、失敗したら次に活かす。そうしたプロセスの積み重ねがさらなる挑戦へのモチベーションを生み、論理的思考力や協働力、創造性を育むでしょう。それは社会で活躍するうえでの武器となり、現代の諸問題を解決する力になるはずです。社会に広く通用する課題解決力を身につけ、生涯にわたる学びの姿勢を培ってもらいたいと願っています。
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松本 虎太郎さん
理先端理工学部 数理・情報科学課程 4年生(大阪府 常翔啓光学園高等学校 出身)
佐野研究室は、人間の学習能力をコンピュータ上で実現することをテーマとしています。私の研究の主題は「深層学習を用いたイチゴの成長段階特定および収穫時期予測」です。授業でプログラミングや機械学習の技能は修得したものの、イチゴ栽培の知識は皆無でした。そこで、農学部の実習農場で栽培を見学し、栽培の難しさや作業者側の目線を知りました。この経験から私は、使用者のニーズを理解して初めて、人の仕事や生活に役立つものづくりができるのだと学びました。より良い栽培支援 AI の完成に向けて、さらに検証を重ねていきます。