
岩澤 哲郎教授
[専門分野]
有機合成化学
この授業は1年生を対象に、大学で化学を学ぶ意義を知ってもらうことを目的としています。有機化学・無機化学・高分子化学・分析化学の4分野と、SDGsをはじめとする社会課題との関わりを、3人の教員がそれぞれの視点から解説します。医療と薬剤、戦争と平和、人権の獲得に対して、石油や電気などのエネルギーに対して、また公害や環境の問題に対して、化学がどのように関係しているかを、過去・現在・未来の時間軸に沿って理解を深めていきます。化学は、人間の使い方次第で、良いほうにも悪いほうにもつながります。化学をより良く応用するには倫理が必要です。本課程では、龍谷大学の建学の精神にもとづいて応用化学を学ぶことで、将来的に社会に貢献できる人の育成をめざしています。この応用化学課程の授業で、化学には歴史があり、社会との強いつながりがあり、そして夢があることを知ってほしいです。
吉田 匠完さん
理工学部 物質化学科 4年生(大阪府 金光大阪高等学校 出身)
もともと有機化学に興味があり、岩澤研究室が実験活動に力を入れていると知ってこの研究室に決めました。私の卒業研究は、「キャビタンド型ホスホン酸の新規合成とその触媒性能の評価」についてです。このテーマでは、目に見えない分子の世界に入り込んで反応機構を分析するため、教科書的な正解はありません。そのおかげで、どのような反応が起こっているのかを自分で考える姿勢が身につきました。実験がうまくいかず思うような結果が出ないときもありますが、その分、困難を乗り越えたときの達成感や充実感はひとしおです。