


坂上 憲光 教授
[専門分野]
水中ロボット工学
▼解決をめざす「社会課題」

海や湖沼、河川、港湾など、日本の水中は多くの課題を抱えています。老朽化が進むインフラ施設の長期的維持には、効率的な水中点検や保守作業の整備が急務です。接触作業は人力に頼る部分が多い一方、作業ダイバーは不足しているといわざるを得ません。さらに船底に付着する生物は、船舶の燃費を悪化させCO2排出量増加などの環境問題に直結しています。私の研究室では、こうした課題を解決すべく、機械工学とロボット技術を駆使した「水中ロボット技術」の開発に取り組んでいます。特に水中構造物の点検や保守作業に焦点を当て、接触をともなう複雑な作業の自動化をめざしています。その核となるのが、人間と自動制御システムが協力してロボットを操作する「触覚共有制御(ハプティックシェアードコントロール)」です。ロボットの正確かつ高速な処理能力と人間の柔軟な判断力を融合させ、安全かつ効率的な作業を実現します。
水中ロボット研究は、いくつかの社会課題の解決と結びついています。これらの取り組みは、安全な社会インフラを維持するという社会課題に対する実践的な学びであり、工学的な技術によって社会の持続可能性に貢献するという目標にも通じています。だからこそ、私の研究室では「自分たちの手で、一からロボットをつくり上げる」プロセスを大切にしています。困難をともなう開発過程には、失敗がつきものです。しかし、多くの失敗や試行錯誤を重ね、ロボットがイメージ通りに動いた瞬間の感動と達成感、ものづくりの醍醐味を体感することは、将来エンジニアとして直面するであろう難しい課題を、粘り強く乗り越える力になるはずです。学生には、ただ技術を学ぶだけでなく、常に環境への意識を高くもち、自分の技術がどのように産業や社会に貢献できるかを考え続けられるエンジニアに育ってほしいと期待しています。
村井 隼人さん
機械工学・ロボティクス課程2024年卒業
先端理工学研究科 修士課程
先端理工学専攻 機械工学・ロボティクスコース 2年生
(京都府立南陽高等学校 出身)
辻上研究室は、物性予測や破壊挙動の予測が困難な複合材料に焦点を当て、解析システム構築や実験設備導入による特性評価に取り組んでいます。自らの考えで実験を行い、先生や仲間と議論を重ねて自身の研究に反映する、このプロセスを繰り返すことで、研究が着実に進捗している手応えと自分自身の成長を実感しています。学会参加のための資料作成から実験結果のフィードバックまで、先生が的確かつ丁寧にご指導くださるので、材料力学の高度な専門知識もより深く考察できるようになりました。