
岸本 圭子 准教授
[専門分野]
昆虫生態学
本実習は生物と環境に関する科学的なデータの取り扱いの考え方や技術を身につけます。近年、生物多様性保全の観点から環境配慮型や自然再生に関わる活動や事業が増えています。また大規模な開発事業では、環境への影響を事前に調査・評価する環境アセスメントが必要です。そのような事業や活動には本実習で学ぶ考え方や技術が役立つでしょう。実習では、専門が異なる複数の教員が掲げる調査テーマから、学生が学びたいテーマを選択し、各教員の指導のもと、少人数で実習を受けます。テーマは森林の動態に関する調査や植物の分類、河川や陸上動物の観察など多岐にわたります。刻々と変化する自然を相手にするので一筋縄ではいかないことが多く、予想通りの答えが得られるとは限りません。学生には、実習をとおして環境問題を解決する難しさを体感し、なぜ環境を守っていかなければならないのかを深く考える人間になってほしいと期待します。
片岡 是宗さん
理工学部 環境ソリューション工学科 4年生(京都府立桂高等学校 出身)
授業を通じて大気・気象の問題に興味を抱き、環境への影響を科学的に考察している藤森研究室を選びました。大気汚染に関する文献を調査するなかで私が注目したのは、森林による大気物質の浄化作用です。その仕組みを解明すべく、卒業研究では森林内オゾン濃度の変動の測定に取り組みました。新しい分野の研究を通じて、思考力や計画力が鍛えられたと感じます。また、データ解析のためのプログラミング技術も修得できました。研究活動で身についた主体的に行動する姿勢は、将来もさまざまな場面で必ず役立つはずです。