吉井 一倫 講師
[専門分野]
光・レーザー科学
高度な情報化がすすむ現代社会で、光通信分野に欠かせない役割を担っているレーザー。電子情報通信課程では、そのレーザーを思い通りに動かせる操作技術を修得しながら光・レーザーへの理解を深め、新たな情報処理技術の研究開発を担える力を養います。
電子情報通信の分野において、レーザーは、通信・記録・計測などに欠かせないツールです。私が担当する「 電子情報通信実験Ⅱレーザー光の操作と諸特性評価 」の授業では、学生自ら手を動かしレーザー光を操作してもらいます。鏡面反射やレンズの原理を知識としてわかっていても、実際に目の前の光線を思い通りの場所に当てたり拡大させたりしようとすると難しく、上手くできると嬉しいもの です。その過程を通じて、楽しみながら、研究開発現場で必須とされるレーザー光の基本的な操作技術を身につけていただきます。
従来の電気信号による情報処理速度が限界に達した現在、AI や自動運転を支える新しい情報処理技術の開発が求められています。特に光の応用が加速しており、光の電場で電子の超高速輸送を実現する光周波数エレクトロニクスの基礎研究は、2023 年度ノーベル物理学賞のテーマにもなりました。そのような社会潮流に応じ、私の研究室では、新たな光源である「 光ファンクションジェネレーター」を使って、電子相互作用部まで光導波路で構成された光周波数エレクトロニクスデバイスの開発をめざしています。この研究活動に取り組むことで、光に情報を載せる仕組みへの理解も自ずと深まります。
レーザー操作への習熟や最先端レーザー光源の研究開発をとおして、実践的な技術と知識はもちろん、光・レーザー科学の諸原理を可視化するプログラミング能力も修得してほしいと考えています。これらの力は、将来、電子情報通信系のどの分野にすすんでも必ず役立つに違いありません。電子情報通信課程で学んだことを存分に発揮し、超高速情報処理社会の課題解決に貢献できる人へと成長していただきたいです。
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中嶋 洸介さん
先端理工学部 電子情報通信課程 3年生(滋賀県立東大津高等学校 出身)
植村研究室は、研究活動の一環として“RoboCup”に毎年出場しています。RoboCup とは、自律移動するロボットの性能・技術を競う世界大会で、競技中の予期せぬトラブルにも対応できるよう、柔軟なプログラムを組む必要があります。大会は学びの成果を発揮する場であり、各国の出場者との競技・交流のなかで得られる経験値は計り知れません。大会出場をとおしてアウトプットの大切さを実感し「 人の生活に役立つロボットをつくりたい 」との思いが明確になりました。夢の達成をめざし、卒業研究ではロボットの経路選択方法について扱います。