- 教員氏名
- 野村 竜也(のむら たつや) 教授
- 学位
- 工学博士
- 学歴
- 大阪大・院・理
- 専門分野
- 人工知能、システム論、複雑系
- 研究課題(長期)
- 生命・意識・社会の数理モデル構築と分析
- 研究課題(短期)
- 人工知能・ロボットの心理的・社会的影響
近年のハードウェア・ソフトウェア技術の発展により、人工知能やロボットは益々人間に近い存在として世の中に広まっています。それらには擬似的ながらも感情の機能が導入され、人間とのコミュニケーションを図るために使用者側の様々な情報を利用することで、単なるツールではなく、人間と心の触れ合いを行うところまで行き着こうとしており、その一環として、従来のサービス分野を超えた精神医療の領域にまで応用が向かおうとしています。
しかし、やはりそれは人工物であり、しかも対話機能を持った人工物という、人類がその歴史の中でかつて経験したことのない物体です。そのような新たな物体との対面・対話において、人間がどのような心理的影響を受けるか、社会がこの物体の存在によってどのような変化を迫られるかということに関しては、意外と議論がなされていません。
私は、心理学を応用することで、人工知能やロボットが人間に与える心理的影響を検証していく研究を行っています。例えば、人工知能との対話におけるコンピュータ不安や、ロボットとの対話における対人場面と同様のコミュニケーション不安の発生および行動への影響のメカニズムを考察し、使用者の感情を測定するための心理学的手法(心理尺度)の開発を行っています。また、実際のロボットとの対面実験や社会調査を通じて、ロボットが精神医療や福祉・介護の場面に展開された場合のメリット・デメリットについて、社会学の知見を絡めながら考察する研究も行っています。