- 教員氏名
- 藤森 崇(ふじもり たかし)教授
- 学位
- 博士(工学)
- 学歴
- 京都大・院・工
- 研究課題(長期)
- 反応機序に基づいた環境影響評価の枠組み構築
- 研究課題(短期)
- 熱プロセス由来の物質挙動、環境中元素の化学種同定、ハロゲン等のマスバランス、有害物質の分解・無害化
科学的な証拠に基づいて議論する、ということは思っているよりも難しいのではないでしょうか。イメージが先行して、必要以上に恐れてしまったり。逆に、過小評価してしまい実は危険であったり。「環境が汚染されている!」と問題意識を持った世界中の研究者が日夜有害物質の測定を進め、膨大なデータが蓄積されています。データに基づいて、世界中の環境政策が変化し、人々の「安心」な生活をひっそりと支えています。突き詰めると、とても単純な物質の存在量を「はかる」ことの大切さに行きつきます。意外にやることは単純なのです。
はかっただけで十分か?といえば、それでは満足できない。事は単純ではありません。必要なのは、「どのようにして有害な物質ができたのか」に対する深い知見です。生成機序の徹底的な理解が深まれば、環境を浄化する機構ベースでの技術の開発に帰結します。そのとき、おそらく初めて豊かさを含めた「(人間の)安心」を得ることができる。
そもそも、科学の営みは生物すべてが共存しうる方策はあるのか、いや、ないのか、を真剣に議論する方法論のひとつなのではないか、と感じています。命ある全ての安心を達成しうる最適解は果たして存在するのでしょうか。ひとりの個として私の研究は、あくまで局所的で限定されたものです。目の前の対象(非生物から生物までのあらゆる研究試料)を、ひとつひとつ「はかり」、「生成機序」を深掘りし、最終的に適切な「浄化方法」をひとつでも見つけたいと思います。