- 教員氏名
- 里井 久輝(さとい ひさき) 教授
- 学位
- 博士(言語文化学)
- 学歴
- 大阪大・院・言語文化
- 専門分野
- 音声学・言語学、英語教育
- 研究課題(長期)
- 自然な英語音声(英語らしさ)の解明
- 研究課題(短期)
- 言語リズム・イントネーションなどの超分節的特徴の研究
母音・子音など個々の分節音の研究
音声学は、英語教育はもちろん、工学や医学などとても多くの分野に応用できる学問ですが、一般には「発音」に深く関わる学問と言えば分かりやすいかもしれません。ところで、「何年も英語を勉強しているのにいっこうに英語がうまくならない」ということを耳にすることがありますが、英語の発音に関しても、学習した年数に比例してどんどんうまくなるという話はあまり聞きません。
もともとリズムも音の体系も異なる日本語と英語ですから、日本語を母語とする日本人にとって英語の発音が難しいのはむしろ当然のことです。「カタカナ英語でも通じさえすれば発音など問題ではない」とする考え方ももちろんあるでしょう。しかしながら、より分かりやすく、またより容易にお互いの意思疎通をはかるためには、なるべく判明度・明瞭度(intelligibility)の高い英語らしい音声を習得することが重要になってきます。
そこで、英語母語話者ではない私達日本人が、英語らしい自然な英語音声を習得するにはどうすればよいのだろうか、そのような問題意識のもと、主として次のような研究に取り組んでいます。
Ⅰ 子音や母音といった個々の分節音に関する研究
Ⅱ リズム・イントネーション、音長・音高・音強度といった、個々の分節音に付随してかぶさるように生じる超分節的音声特徴の研究
Ⅲ 音声に関わる心理言語学的研究
何気ない普段の会話も、実際には、まるでオーケストラのスコアのように、上記のさまざまな音声要素が組み合わさり処理されるというとても複雑なプロセスを経て発話されます。そのようなプロセスを少しずつ解き明かし、得られた知見を大学から小学校にいたるまでの英語音声教育の場に還元できるよう研究を進めています。