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Faculty of Advanced Science and Technology

先端理工学部

龍谷の森ネイチャーガイドプロジェクトリサーチで取り戻した
大学生らしい時間

「龍谷の森」で見つけた巨木

心残りを解消するために「龍谷の森」へ

環境生態工学課程で楽しみにしていた履修科目のひとつが「龍谷の森」での環境実習でした。しかし、コロナ禍の影響でオンラインでの実施となってしまったのです。課程で学びをともにしている友人たちにこの心残りを話したところ、みんなも同じ思いだったことから、プロジェクトリサーチで「龍谷の森」を調査しようと一致団結しました。調査テーマについては、全員、生物が好きで卒業研究にもつなげたいとの目標もあり、たくさんの案が出ましたが、土壌生物調査、植生調査、「龍谷の森」の近くに流れる大戸川の水生生物調査に絞り込み、これから「龍谷の森」に入る後輩たちに役立つようなガイドを作ることに決めました。

多種多様な動植物の生息に驚き

調査開始前、動植物を研究されている課程の先生方にフィールドワークの魅力についてお話をうかがっていたこともあり、森に入るときはワクワクした気持ちでいっぱいでした。

土壌生物を観察するためのトラップの種類や仕掛け方、センサーカメラの設置場所などはメンバーで調べ、市販品ではなく、ペットボトルをはじめ廃材を利用するなど自分たち流を貫きました。その結果、「龍谷の森」には想像していた以上に多種多様の動植物が生息していることが判明。例えば昆虫も種類が多く、一匹一匹個性もあって興味深かったです。また、土壌生物のトラップの匂いを嗅ぎつけてきたタヌキやイノシシ、シカも観測できました。植物も数多くの品種を調査・採取でき、標本化。キノコは顕微鏡で詳細に確認しなければ種類の同定が難しいとアドバイザー教員に教えていただいたことも得られた学びの一つでした。

ペットボトルを再利用して作ったバナナトラップ

森の生き物たちとの出会いが学び、思い出に

プロジェクトリサーチを通じて、調査方法や報告書のまとめ方、研究費の管理などが身につき、卒業研究前のトレーニングができたことがよかったです。もちろん、メンバー全員の念願だった「龍谷の森」でのフィールドワークを実現できた満足感は言うまでもありません。コロナ禍で失われてしまった時間や学びを取り戻すことができたと思います。夏の暑い日に森の中を歩き回ったり、早朝にトラップを回収したりと大変な作業も、オンラインや机上ではできないリアルな体験として楽しく、大学生らしい思い出にもなりました。また、「龍谷の森」という素晴らしい環境がすぐ近くにある贅沢さも実感。普段の生活やコンクリートの上では出会えない動植物の生きる姿を間近で観測でき、生物の生態を専攻する自分たちの在り方、環境課題への向き合い方について、改めて考えるきっかけになりました。後輩たちには私たちが作ったネイチャーガイドも参考に、「龍谷の森」で多くの生物との出会いの素晴らしさを感じてほしいです。


プロフィール 中村 萌生

中村 萌生

先端理工学部 環境生態工学課程

滋賀・県立彦根工業高等学校出身

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