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Faculty of Advanced Science and Technology

先端理工学部

過去に起こった自然災害をGISを用いて調査する大規模森林火災を検証。論理的思考力が身についた

地球や自然に影響を及ぼす森林火災をテーマに

私は自然環境課題に関心があり、学修と研究に打ち込んでいます。プロジェクトリサーチでは、地球温暖化や大気汚染の原因といわれる森林火災について検証しました。

まず、これまでに世界で発生した大規模森林火災をインターネットなどでリサーチ。インドネシアのカリマンタン島南部で2015年~2016年にかけて起こった森林火災を検証対象に選びました。規模も被害もとくに甚大で、原因を知りたいと思ったからです。

GISを活用で複雑に絡む火災原因が判明

検証にあたっては、森林火災だけでなくカリマンタン島のさまざまな情報を収集。パーム油や製紙用パルプのためのプランテーションが広がっていることが判明しました。

森林をプランテーションにするには、生息する木々を伐採し、原材料となるヤシの木などを植林するのですが、このエリアは土壌に大量の水と炭素を含み、植物の生育に悪影響を及ぼす泥炭地だったことから、土壌から水を抜いたり、火を入れたりして乾燥させる作業が行われていたのです。私はこの泥炭地の排水と乾燥が森林火災の原因であると仮説を立てました。なぜなら乾燥によって泥炭は燃えやすい炭素の塊になるからです。

仮説の検証には2つのGIS(地理情報システム)を活用しました。まず世界の森林の状況をモニタリングする「グローバルフォレストウォッチ」というプラットフォームで、2014年から2016年のカリマンタン島の泥炭地の分布、何か別の植物などで覆っているかの被覆状況、火災での消失部分を確認し、マップをスクリーンショットで保存。「Google Earth Pro」に重ね合わせ、衛星画像で見て取れるプランテーションは茶色、排水路は青色、消失部分はピンク色と、マークしていきました。そして「Google Earth Pro」を過去から遡っていくと、排水路が密集し、泥炭地を被覆したエリアと火災が発生したエリアが一致。カリマンタン島の大規模森林火災は泥炭地の排水と乾燥が原因である仮説を実証できました。

自分の関心に集中。新発見と知識獲得が楽しい

プロジェクトリサーチによって、私は論理的思考力が身についたと思います。今回であれば、火災の発生したエリアが泥炭地だった、水を含む泥炭地でなぜ火災が起きたのか、大量のパーム油や製紙用パルプを早急に生産するために造成だけを推し進めていったと、原因の可能性が枝葉のように広がっていったので、一つひとつを論理的に考え、突き詰めていくことができました。加えて、この検証結果を龍谷祭で開催されるプロジェクトリサーチのポスターセッションで紹介したことにより、多くの人に環境課題に目を向けるきっかけになったのではと感じています。

私はITにも興味があります。環境課題に対してITやAI、データを活用することは研究でも社会でも必須なので、GISというシステムを使う経験ができたことも今後に役立つはずです。

プロジェクトリサーチは関心のあることに集中できる貴重な機会であり、新しい発見と知識を得られます。後輩にもぜひ取り組んで欲しいと思います。


プロフィール 黒田 涼太

黒田 涼太

先端理工学部 環境生態工学課程(※2025年4月より環境科学課程に名称変更)

京都・市立日吉ケ丘高等学校出身

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