Need Help?

Faculty of Advanced Science and Technology

先端理工学部

フォトクロミック結晶の現象と分子挙動についての調査・研究化学の側から考えることを学んだプロジェクトリサーチ

卒業研究のキックオフとしてチャレンジ

プロジェクトリサーチが始まる前から、私たち4人のメンバーは、内田欣吾教授(応用化学課程)の研究室への所属が決まっていました。内田先生は、光に応答するフォトクロミック分子の結晶を用いて、生物を模した人工的な機能材料を作り上げるバイオミメティックス(生物模倣)について研究されています。私たちは生物を真似して新たな機能材料を開発する点に惹かれ、卒業研究のテーマにもすることから、プロジェクトリサーチでは、その第一歩として、ジアリールエテンという化合物の結晶のフォトクロミック反応に起因する現象について研究することにしました。

フォトクロミック反応とは、光照射によって分子量の変化を伴わず分子内で化学結合の組み換えが起こり、構造と色が変化する反応のことです。私たちは新たに混合したジアリールエテン化合物の結晶を作成し、その結晶に紫外線を当てるとどのような変化、現象が起きるのか調査。紫外線を照射すると結晶が割れる、着色する、移動するといった反応があるのではとメンバーで仮説を立てて、実験をおこなったところ、結晶が弾け飛ぶという想定外の現象が起こり、驚きました。

他大学、研究者とのネットワークを構築

この研究では、内田研究室出身の先輩が所属する立教大学理学部化学科の研究室を訪問し、単結晶X線構造解析装置を使って調査をおこなう機会に恵まれました。龍谷大学では、様々な研究・調査において、ほかの大学や機関と連携していることは知っていましたが、私たちがそれを実際に活用し、繋がりを築けたことは今後のプラスになるので、とても貴重な体験ができたと嬉しく思っています。また、私たちが調査した現象については、内田先生も先輩方も関心を持ち、考察では豊富な知見と経験からアドバイスをいただきました。「この研究・調査は継続するべき」という皆さんからの言葉が嬉しく、プロジェクトリサーチの枠を超えて、より本格的な研究・調査ができたという自信にもなりました。

化学とプロジェクトリサーチの魅力を再認識

プロジェクトリサーチを通じて、化学は、人間の思考や都合に合わせているのではなく、化学が中心にまわっており、人間の方が化学に合わせていくことが必要だと感じました。想定外の結果というのも人間側から見ているだけのことです。なぜそうなったのか、化学の側から見て考えれば、未知の世界を解き明かせるかもしれない。こういった思考や視点を実際の研究・調査で体得できたことは、私たちメンバーにとって大きな成果・財産になりました。

プロジェクトリサーチでは、ほかの課程の研究・調査にも触れることができました。どの内容もハイレベルで刺激を受けるとともに、改めてこのプロジェクトリサーチは素晴らしいプログラムだと感じました。必ず自分のプラスになることは間違いありません。後輩の皆さんもぜひチャレンジしてください。


プロフィール 長谷 海音

長谷 海音

先端理工学部 応用化学課程

滋賀・比叡山高等学校出身

Request Information

資料請求