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Faculty of Advanced Science and Technology

先端理工学部

温泉及び河川の水質調査と温泉成分に基づいた入浴剤の制作チームと課程のコラボレーションで広がり深まった調査分析

関連するテーマをきっかけに共同研究をスタート

応用化学課程の学生として、対象となる物質を専門知識と機器を活用して化学的に分析してみたいと思い、プロジェクトリサーチで実現することにしました。分析対象に選んだのは温泉の泉質です。すると、河川の水質調査をテーマに選んだ同じ課程の友人たちが「河川と温泉の関連にも興味があるので共同で調査しよう」と提案してくれたことから、コラボレーションでのプロジェクトリサーチとなりました。メンバーが7人になったことで、調査・分析のリソースが整い、調査範囲や分析内容が広がるといった相乗効果を得られたことはとても良かったです。これからプロジェクトリサーチに取り組む後輩には、ほかの学生とのコミュニケーションを図って、コラボレーションして進めてみることもおすすめしますね。

他課程の専門機器での分析も経験

分析する温泉と周辺の河川は、愛媛県道後温泉×石手川、岐阜県下呂温泉×飛騨川、兵庫県城崎温泉×円山川、京都府嵐山温泉×桂川の4カ所を選びました。各温泉と河川では、温泉の湯、河川の水を採取し、その場でpH測定とCOD※1分析を実施。さらに採取したサンプルを大学に持ち帰り、ICP※2発光分光分析装置で含有元素の定量分析をおこないました。専門機器の使用はプロジェクトリサーチの動機でもあったので、より前向きに臨むことができ、卒業研究などにも活かしたいと思います。

専門的な分析方法については、事前にアドバイザー教員からの指導で、ICP発光分光分析装置を有している環境生態工学課程の研究室に繋いでもらいました。その環境生態工学課程の先生からは簡易検査キットの存在を教えていただいたので、現場での測定・分析がスムーズに。環境領域からの泉質・水質についてもうかがったことで新たな知見が得られ、調査・分析結果の考察にも活かすことができ、ここでも相乗効果を実感することができました。

※1 Chemical Oxygen Demand の略。化学的酸素要求量と呼ばれ、湖沼や海域の環境基準及び排水基準で規制されている。酸化剤(化学物質)により酸化される有機物よる汚濁指標。

※2 Inductively Coupled Plasma の略。誘導結合プラズマなどと訳される。様々な気体でICP生成が可能だが、アルゴンガスのICPを光源とする発光分析法がICP発光分光分析法である。

遊び心を調査・研究、自らの成果に繋げる

私たちのプロジェクトリサーチには、温泉地に足を運ぶことで調査・分析が疎かにならないかとの声もありましたが、メンバーで何度も討論し、課程を超えた先生方の指導も受けながら、内容の専門性を高めていきました。結果、応用化学課程の学生だからこその成果を達成できたと自負しています。

プロジェクトリサーチは、最新の専門機器を操作してみたい、あの場所に行ってみたいといった好奇心や遊び心からスタートするのも良いのではないでしょうか。その知的好奇心をいかに成果に結びつけるか、考え、行動し、必要に応じて先生に指導を仰ぐといった一つひとつの経験、学びが、これから社会に出たときの自分の力になっていくんだなと私たちは実感しました。


プロフィール 吹原 里美香

吹原 里美香

先端理工学部 応用化学課程

大阪・府立花園高等学校出身

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