知能情報メディアコースが扱う学問領域は、情報処理と知能処理・人工知能に係る「知能情報システム」、コンピュータソフトウェアの原理や設計に係る「ソフトウェア科学」、仮想現実感や複合現実感などの新しいメディアを含んだ「メディア工学」、および、それらに関連する分野である。これらの分野は、高度なデジタル化と情報抽出に特徴づけられる超スマート社会の実現のために重要な位置を占めており、ほとんど全ての産業や学問分野に関連している。これまでコンピュータやデジタル化とは直接関係のなかった分野を含め、産業や社会における構造的変革をもたらし、持続可能性の向上と競争力の強化をもたらす原動力となる可能性がある。
知能情報メディアコースでは、情報科学の手法の系統的な教育を行うとともに、ともすれば机上の学問分野と見られがちな情報科学の手法や産業・技術展開を、具体的な事例にもとづく教育と実システム化の教育を並行して行う。これにより、現在の産業構造に対応できるだけでなく、将来必要とされる先端的な技術や新たな情報産業の創出の牽引役となる、知能情報システム、ソフトウェア科学、メディア工学のスペシャリストの養成を行う。そのため、知能情報メディア分野を中心的な研究対象分野として位置づけ、大学院生としての幅広い教養と倫理意識を涵養する大学院教養科目、自身の専攻分野から周辺の学際的分野まで学修できる多様な特論科目を設置する。さらに、研究指導教員が担当する演習科目、特別研究を設け、体系的に教育課程を編成する。