高度な機械システムの構築には、基礎的な機械工学に加えて材料工学、電子工学、制御工学、情報工学、システム工学などの幅広い知識を持ちながら、高度で深く掘り下げた知識が必要である。学士課程教育で培った知識を基礎に、これらを一層発展、応用できる高い素養を持った技術者、研究者の養成を目指して、機械工学・ロボティクスコースは、力学系、エネルギー系、システム系の3 分野で構成し、3 分野における専門的な立場からの教育と研究を通じて深く掘り下げた知識の修得と創造力の育成を図り、指導教員間の密接な連携により幅の広い知識の修得を目標とする。
力学系では、材料力学、材料強度学、生体力学などを深く学び、安全で信頼性が高く経済的な機械システムの構築において中心的な役割を果たす技術者、研究者の養成に重点を置いて教育と研究を行う。安全で信頼性の高い機械、構造物の設計、製作には、実働条件下での応答解析と強度評価が強く求められる。外力による機械の応答、弾性論や塑性力学などを学ぶことにより、応力・ひずみ状態を評価できるようにする。また、材料強度を深く理解するため、複雑で階層的な構造を有する複合材料に対する強度設計手法や解析手法、並びに生体システムの機能を力学的に理解するための計算シミュレーションの方法と取り扱いについて学修する。
エネルギー系では、流体力学、熱力学、熱工学を基礎に、それらを総合化したエネルギー変換工学を構築し、効率的で地球環境に優しいエネルギー技術開発が行える技術者、研究者の養成を強く意識した教育と研究を行う。流体力学や熱流体工学などを総合化した新しい学問体系によるエネルギー関連技術が学べるような科目を設定し、流体力学の基礎理論、数値流体力学や熱流体力学の基礎理論とエネルギーの有効利用に必要な熱力学的基礎、自然エネルギーの基礎などについて地球環境に優しいエネルギー技術開発の観点から学修する。
システム系では、機能材料とエレクトロニクス、センシング・アクチュエータ技術の発達により作り出される人間に優しい機械システム作りに役立つ技術者、研究者の養成をめざした教育と研究を行う。人間に優しい機械システムの開発には、機械工学や材料工学、ロボット工学などの総合的知識が求められ、機能材料や材料加工、計測システムの基礎を深く身に付ける。また、ロボットや大規模システムを効率的に機能させるための基礎原理を学修し、機械システムやロボティクスへの応用技術を修得する。