Lei,Thomas Ting(レイ・トーマス・ティン)

Lei,Thomas Ting

教授|Ph.D.|カナダマッギル大・院

専門分野
植物生理生態学
研究課題(長期)
植物の環境適応:進化、分布と表現型
研究課題(短期)
ジンチョウゲ属植物の葉フェノロジー多型の進化適応

研究テーマ:極端な葉フェノロジー多型の進化適応的意義と種の絶滅・侵入リスク評価

最近、植物の環境適応に関して、適応度に直接的に影響を与える特性の抽出には、もともとの系統差による影響の排除が重要であることが明確になってきた。それにも関わらず、その系統進化プロセスまで考慮に入れた、植物の環境適応に関する研究例はわずかしかない。さらに、系統発生に着目した例外的な研究のほとんどは、乾燥地などのストレス条件下に生育する植物をターゲットとしたもので、森林生態系に生育する樹木を対象としておこなう本研究は世界的に例がない。
植物の適応度は、光合成を通じた年間の炭素獲得と密接に関わっていると考えられている。多くの植物は炭素固定を葉でおこなうため、資源獲得システムのありかた、すなわち葉の機能的適応が、近縁な植物種間の種分化の鍵となった可能性が高い。そこで本研究では、近縁種間で極端に異なる葉のフェノロジーをもつジンチョウゲ属をモデルシステムとして用い、多様な葉のフェノロジーを獲得するに至った進化プロセスを解明する。さらに、最終的にそれぞれの種の現在の生育ハビタットにおける保全状況と機能的特性(つまり葉のフェノロジー)によってもたらされる資源量から、ハビタットの適合性を検証する。

チョウセンナニワズ2種の典型的な石灰岩地生育ハビタット

チョウセンナニワズ2種の典型的な石灰岩地生育ハビタット

強光下の最大光合成速度について、チョウセンナニワズは、伊吹山のオニシバリよりも高かったが霊仙山のオニシバリよりは低かった。これらの結果から、オニシバリは光斑などの強光下では、高い光合成をおこなうことができ、生理的能力が高いことが示唆された。

強光下の最大光合成速度について、チョウセンナニワズは、伊吹山のオニシバリよりも高かったが霊仙山のオニシバリよりは低かった。これらの結果から、オニシバリは光斑などの強光下では、高い光合成をおこなうことができ、生理的能力が高いことが示唆された。

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